2020年10月23日金曜日

経済的な舌

 子供の頃、チーズと言えばプロセスチーズばかり食べていた。少し大きくなってからカマンベールチーズを口にしたが、皮の部分の味と食感が気になって、自分には合わないと思っていた。結婚してから出来心でカマンベールチーズにチャレンジしたら、意外とイケるやん!となって、以来カマンベールチーズを購入するようになったのであった。

スーパーで購入できるカマンベールチーズと言えば、大抵明治か雪印のものだが、北海道にはチーズ工房がたくさんある。コロナ騒動で、北海道の食品を買い支えなければ(手元に大した資金があるわけでもないのに)という使命感に駆られ、カマンベールなら大丈夫だと思って買ったのが、北海道クレイルのカマンベールチーズ・カレ。

普段カマンベールを食べるときは、6等分ぐらいに切ってその1切れを口に放り込むような食べ方をしていたので、同じように食べてみた…ら…口から鼻に突き抜けるような刺激!理科室で実験していたのを思い出すような香り!

カマンベールにはロングライフタイプと熟成タイプがあって、私が美味しいと思って食べていたのは加熱処理されているロングライフタイプのものだったらしい。やはり通好みのチーズを食べるには、私の舌じゃ未熟すぎるようだ。

他にも、道産のチーズをいくつか試してみた。チーズ工房NEEDSの槲(かしわ)は硬めだけど、味としてはコクがあって癖はなく、美味しく感じられた。他にも2つぐらい食べたのに、思い出せない…1つは、キャラウェイシードの入ったチーズともう1種類のオレンジっぽいチーズが一口サイズで詰め合わされていたもので、これは少し苦みがあるというか、お酒には合うような味で、私は割と嫌いじゃなかった。もう1つはチェダーチーズだったと思うのだけど…倉島乳業だと思ってたらメーカーの製品ラインナップにはない。加熱した方が食べやすいかと思い、ピザにして食べてたのだが、余ったのをそのまま食べたらそのままでも全く問題なかった。

というわけで、無難だと思っていたカマンベールが1番冒険したというお話。そして、こだわりのチーズばかり食べた反動か、最近は市販のプロセスチーズばかり食べている。やはり子供の頃からの味は安心して食べられる。チーズ好きを名乗れるようになるには、100万年ぐらい早いんだろうな。

《追記》詰め合わせの方はおおともチーズ工房の熟成ミックスチーズ、ピザにして食べてたのは倉島乳業の北海道ゴーダチーズと判明。サイトなどでは紹介されてないのね。

2020年10月11日日曜日

見えない敵と戦う

 北海道にはスギはほとんどないが、シラカバはたくさん生えている。なので、シラカバの花粉症の人が割といるらしい。あまり実感したことはなかったが、今年はどうやら飛散量が多かったらしく、家族が発症。そして、シラカバ花粉症の人は口腔アレルギーを伴うことも少なくないらしい。これも同時に始まってしまった…生のリンゴやモモなど食べると、口の中が痒くなったり喉がイガイガするとのこと。まあ果物だけなら避けられるし、誤食の危険もそうないのだが、今まで食べられていたものが食べられないのは、何となく可哀相に思ってしまう。

私もまったくアレルギーがないことはないと思うのだが、今のところ食に関しては影響がないので、検査などはしたことがない。小学校低学年ぐらいの頃、目が赤いと友達に言われたり、自分でも目が痒かったりして、親に訴えても「目薬さしたら」としか言われず、そういう体質かと思っていたが、案外花粉かダニかに反応していたのかもしれない。

花粉症の特効薬などないのは知っているが、何とか体質改善して症状を緩和するなり何なりできないかなぁと思い、よさそうな商品を探している。

まずは、雪印メグミルクの乳酸菌ヘルべヨーグルトドリンクタイプ。トドックでチラシが入っていて何となく買ってみた。すっきり飲みやすいとあったので、酸っぱくて甘いもの好きには飲みづらいかと思ったが、別にそんなことはなかった。これが効くなら、1本あたりの量も100gだし、続けやすくていいなあと思う。

それから、青汁。私自身が大して飲んだこともないのに、大昔「まずいっ!」とCMで宣伝されていたイメージから苦手意識を持っていて、自分では購入したことがなかった。とりあえず子供でも飲みやすい、と書かれていた東洋新薬の乳酸菌入り九州産大麦若葉の粉末青汁(COOPブランド)を買ってみた。牛乳に溶かすと飲みやすいとのことだったので、牛乳に溶かして飲んでみる。うっすら抹茶っぽい味で、グイグイ飲める。飲みやすすぎて効果はあまりなさそうな気がしてくる。

乳酸菌、乳酸菌、と書いているが、乳酸菌がよい説があるらしい。という意味では、糠漬けとかキムチとかもよいらしい。とりあえずキムチは入手しやすいので、キムチも買おうかなと思っている。糠漬けは家で漬けてみようかな、と思って調べたのだが、微調整ができる気がしなくて、なかなか手出しできない。糠を食べて味を覚えるとあったが、そんなに簡単に記憶できるのだろうか…それがうまくできるなら、料理の味付けも難なくできそうに思う。料理下手が美味しい糠漬けを作れる気がしない…

花粉症対策というのではないだろうが、私が子供の頃は家に何かしら栄養補助食品があった。大高酵素のスーパーオータカ、エビオス、ローヤルゼリーのカプセル、冷凍青汁の素、アムウェイのサプリ、DHCのサプリ、ヨーグルト味の錠剤…流行りがあったのか、ずっと継続していたものはなかったように思うが、体にいいからと言われて、青汁以外は私も飲んでいた気がする。効果はそれほど期待していなかったが、未だに慢性的な体の不調がないのは、実はこれらのおかげだったのか…?という気がしなくもない。

この話をしていたら「栄養を補っていたんだね」と夫に言われて、「補っていた…っていうかメイン?」と答えてしまった。

2020年6月27日土曜日

YouTubeは誰でもお使いいただけます

夫が、YouTubeの画面を見せて「ちょっと見てほしい動画があるんだけど」と言うので、魚を捌く動画かなと思っていたら、音楽の動画で意外と見入ってしまった。それがハードオフ社員、永田氏の動画であった。

基本的に私はプロ以外がアップした動画を見ない。素人はレベル差が激しく、あまりよくないものを再生してしまったときのガッカリ感を味わいたくないからだ。再生するつもりがないのに誤って再生したときは履歴から削除している。潔癖症。

しかし、永田氏の動画はワクワク感があって、次から次に再生してしまった。履歴が汚れた(酷い言いよう)という気もしなかった。動画自体が作り込まれているのもさることながら、本人の演奏・歌唱のクオリティが高く感じたのだ。

歳をとってしまったからだろうか、イマドキの歌にはついていけないし、ついていこうという意欲も湧かない。私の好きな歌を、高い歌唱力で歌ってほしい。高い歌唱力、という定義も人によるだろうから、私好みの高い歌唱力、という我儘ぶりである。

最近、デーモン閣下のGIRLS' ROCK Bestを聴いている。元々YouTubeで閣下の歌い方は好きだったのだが、その人が私の好きな歌をたくさん歌っているアルバムである。買うしかなかった。赤いスイートピーはあまり好きだと思ったことはなかったが、閣下versionは結構好きだ。アイドル松田聖子の歌だと捉えると、若干遊んでないか?と思わないでもないが、ひとつの作品としてまとまりがあって違和感はまるでない。

カバーとかパロディとか、やはり実力がないと出来ないもんだなと思う。いくらカバーだ、パロディだと本人が主張しても、実力がないと自己満足、下手したら失敗に見えかねない。

運転技術のある人が年季の入った車に乗っていると、「車好きなんだね」と評価されるが、ない人が同じことをやると、「車買い替えればいいのに」と言われかねないのと似ている…?

2020年5月23日土曜日

ウェーバー『無窮動』

10年以上前に買った電子ピアノが未だに家にあるが、アップライトピアノを購入してからはほとんど触ることがなくなってしまった。電子ピアノに慣れていると気にならなかったが、アップライトとは言え、本物のピアノの音色とタッチはやはり電子ピアノとはまったくの別物だ。

去年秋にヤマハが主催する、大人の発表会に出た。会場が思った以上に寒く、手が冷えてしまってうまく動かなかったのが悔やまれる。そして、リハーサルがないっていうのはなかなか辛いものなんだなぁと思った。子供のときは、リハーサルなんて面倒くさいとしか思っていなかったが…鍵盤の感触が家で弾いているものと全然違うのに、弾き始めたら弾き続けないといけないというのは。

ゆっくり始まる曲なら、あまり思わなかったかもしれない。プロの演奏会でも、最初は肩慣らしみたいなところから始まるような気がする。私が選んだのは、ウェーバーのピアノソナタ第1番4楽章『無窮動』。

電子ピアノを購入したときに、おまけで?50曲入った楽譜の本がついてきた。有名な曲ばかりなので大体弾いたことがあるか、聞いたことぐらいはあったので、ちょくちょくその中から適当に選んで弾いていたのだが、どうせなら全部弾けるようになっちゃえー、と思い、楽譜を見るだけではまったく魅力を感じたこともなかった、この曲を練習したのだった。

通して弾けるようになったものの、何一つ面白いと思えない。何故この曲が本に入っているのだろう。そして、そのまま放置していたが、あるときYouTubeでこの曲を検索したら、キーシンという名ピアニストの演奏が出てきた。どんな風に弾くのだろうと思って聞いたら

速い!!!!!

他にもいくつか音源はあったものの、彼ほどの圧倒的なスピードで演奏されているものは他にはなく、確かにこんな風に弾いたら面白いかもしれない、と思い、無謀な挑戦が始まったのであった…

勿論速いだけでなく、曲として聴かせる必要があるのだが、まず速いのが弾けない。20-22小節などの和音を含む右手のところがボトルネックになる。また、『無窮動』のタイトルどおり右手を動かし続けるので、最後の方で段々疲労が溜まってくる。

結局本番では余裕をもってゆっくりめに弾いた…つもりだったが、結果は散々だった。状況に応じた選曲は大切だ。が、私の弾きたい曲は子供の頃から派手なのばかり。昔は、今以上に「速いのが正義!」で、歌い上げるように弾くということを考えておらず、今思えば雑な演奏だったんだろうなぁ、と思う。他人の演奏もあんまり参考にしてなかったし…

という反省をできるようになっただけ、大人になったかもしれない。だいぶ遅いけど。

2020年5月16日土曜日

カマンベールチーズケーキがやってくる

最近、暇を見つけては夫が包丁を研いだり磨いたりしている。以前から気が向いたときに研いでくれていたのだが、この頃の研ぎようはそれとは比較にならない。家中の包丁を切れ味よくするだけでは物足りず、昨日はついに、職場の人から包丁を借りてきて研いでいた。

包丁を研いでいると、試しに切りたくなるらしく、休日は食事を用意してくれるようになった。YouTubeで見る動画も、去年あたりはキャンプものが中心だったが、近頃はiPhoneを覗き込むと、大抵誰かが魚を捌いている。

昔は、道具の手入れの重要性をあまり考えていなかった。今は、道具の手入れが大事だという認識は出てきた。しかし、自分では実行できていないという段階。いつか実行する段階に至るのか…

ピアノも調律が必要だ。前回は音がだいぶ外れていたので、調律していく間にどんどん音が合っていくのを聞いていると気持ちがよかった。今回はあまり音が外れていなかったようで、調律する必要あったかなと思った。時間も前回ほどかからなかったが、調律師の人が言うには、「音が硬かったので直しておきました」とのこと。やっぱりプロの人は素人にはわからない違いがわかるんだなぁと、試しに弾いたところ

音がまろやかになってる!

色々な人のメンテナンスのおかげで、私の生活は成り立っている。